心拍数を利用した適正な運動負荷
こんにちは。理学療法士のKです。
運動をすると体にいいとはいわれるもののただやみくもに体を動かすだけでは、期待するような効果(脂肪燃焼、持久力アップ、健康維持など)は得られにくいものです。そこで重要になってくるのが、自分に合った“適正な運動負荷”を知ること。
その指標として有効なのが、今回ご紹介する「カルボーネン法」です。
■ カルボーネン法とは?
カルボーネン法とは、「心拍数をベースにした運動強度の計算方法」です。
一般的に使われる「最大心拍数 × 運動強度」ではなく、安静時心拍数も加味することで、より個人に合った目標心拍数を導き出せます。
つまり、無理のない範囲で、かつ効果的に運動するラインを数値で把握できる方法というわけです。
■ 計算式(カルボーネン法)
以下の式で、あなたにとっての「適正な心拍数」を求めることができます。
目標心拍数 =(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 運動強度 + 安静時心拍数
■ 実際に計算してみよう
例)35歳、安静時心拍数が65bpm、目標強度が70%の場合
- 最大心拍数の推定
→ 220 − 35 = 185 bpm - 心拍予備域(HRR)の計算
→ 185 − 65 = 120 - 目標心拍数の計算
→ 120 × 0.7 + 65 = 84 + 65 = 149 bpm
つまり、この人にとって「70%の運動強度」は心拍数149bpmが目安となります。
■ どのくらいの強度が“適正”なのか?
目的によって適正負荷は変わります。以下を参考に、あなたに合った強度を選びましょう。
目的 | 運動強度(%) | 心拍数ゾーンの特徴 |
---|---|---|
健康維持・ウォームアップ | 50〜60% | 軽めで会話できるレベル |
脂肪燃焼・有酸素能力アップ | 60〜70% | やや息が弾むが継続可能 |
持久力向上・心肺強化 | 70〜85% | ハードだがトレーニング効果が高い |
「頑張ってるのに成果が出ない」
「運動がしんどくて続かない」
そんな悩みの原因の一つが、「運動負荷が合っていないこと」です。
カルボーネン法を使えば、**あなた自身にピッタリ合った「ちょうどいい運動」ができるようになります。
無理なく、でもちゃんと効く。
そんな運動習慣を作るために、今日から“心拍数”を意識してみてはいかがでしょうか?